警備ロボットの今後
警備ロボットの種類
警備ロボットには多くの種類があり役割もさまざまです。
代表的なものとしては、施設内を巡回する「巡回警備」ロボットや、施設の出入り口で人の出入りをチェックする「立哨警備」ロボットがあります。
特に、現在は巡回型ロボットがポピュラーです。
定められたエリアをパトロールして異常がないかをチェックし、もし異常があった場合にはその内容をスタッフに報告します。
ほかにも、人が警備できない範囲や火災などの非常事態に対応する警備ロボットも開発されています。
警備ロボットを導入するメリット
ロボットの強みは、単調な作業に最大限のパフォーマンスを発揮し続けることです。
警備の仕事というのは、ルーチィンワークを長時間続ける必要があります。
もちろん、何も起きないに越したことはありませんが、どうしても人間の集中力は落ちてしまいがちです。
そこで、警備業務にロボットを導入すれば「集中力が落ちて異常を見逃してしまった」などという人為的ミスを排除できるでしょう。
また、極寒や炎天下など人間にとっては過酷な環境での警備や、火災や侵入者への対応など、危険を伴う業務を任せられるのもメリットです。
さらに、今後警備ロボットが普及すれば、人件費のコストダウンも見込めるでしょう。
デメリット
警備ロボットにもデメリットがあります。
例えば、ロボットのタイプによっては転んでしまうと自力で起き上がれないという点です。
開発が進んで改善されるかもしれませんが、現状では、一度倒れると人間の手を借りなければ元の状態に戻ることができません。
ほかにも、 不審物や侵入者を見つける能力は高くても、捕えることまではできないのもデメリットの1つでしょう。
何かトラブルが起きた際に、最終的には現場にかけつけるなどの人間の行動が必要です。
実用化されている警備ロボット
警備業界全体から見ればほんの一部ですが、警備ロボットが活躍する現場は少しずつ増えています。
なかでも巡回型ロボットの実用化が進んでおり、成田空港や⼤⼿町パークビルディングの巡回警備の一部で実用化されています。
日本だけでなく世界各国に目を向ければ、さまざまな種類の警備ロボットが数多く活躍していますよ。
2号業務での警備ロボット
さきほど紹介したように、現在は巡回型のロボットが一般的です。
警備業務でいえば、1号業務に分類される施設警備で活躍する警備ロボットの開発と実用化が進んでいます。
2号業務に分類される交通誘導警備でも、通行規制がされている現場にロボットを設置し、画像認識AIがカメラで歩行者や自転車を検出すると無線で音声や映像を他の警備員に通知して、警備員が交通誘導を行なうといったロボットがあります。また、イベント警備では画像認識AIが人の混雑状況を感知して、警備員に通知するなど、人間と連携して業務を行う警備ロボットがあります。
しかし、交通誘導警備やイベント警備など、臨機応変な対応や判断力が求められる現場では、まだまだ警備ロボットよりも人間の方が能力的に上です。
そのため、2号業務での警備ロボットは「人間が行う交通誘導をサポート」する役割になると考えられています。
警備ロボットの今後に注目
警備員の人手不足解消の切り札として警備ロボットの活躍は期待されています。
特に、施設警備などルーティンワークが多くマニュアル化されている業務に関しては、警備用ロボットが十分機能する可能性があるでしょう。
しかし、警備ロボットが普及しても、最終的には現場にかけつけるなどの人間の行動が必要です。
つまり、警備業界でロボットが普及したとしても、人間と一緒に業務を行うことになると考えられています。