社内にガチのジムをつくる社長は脳筋なのか。
「オフィス内にトレーニングジムがあります」
最近、求人を見ているとこんなキャッチコピーを見かけることがあります。
セキュリティスタッフには、このコピーからイメージする“ジム”とはだいぶギャップのある設備があります。
面接に来られた方に社内を案内していると、ちょっと引く人も少なくありません。
「ここは自由に使ってもいいですか?」
「それでもいいけど、毎週トレーナーが何人か来てくれるので、その時に一緒にやるといいですよ」
「え、トレーナー、、?」
なぜ社内にジムがあるのか?
「やっぱり身体が資本の警備会社だから鍛えるためにジムがあるんですね。」と言われることがよくありますが、セキュリティスタッフは身辺警護(ボディガード)は行っていないので、体を鍛えることはあまり関係ありません。
では、なぜ社内にジムがあるのか?
心身の健康増進
筋トレは身体が鍛えられるのはもちろんのこと、同時に心(メンタル)も鍛えられます。重りを挙げていると、多くの人は身体の限界よりもメンタルの限界によって「もう無理」と諦めてしまいます。これは人間が怪我をしないための防御本能なのか、単にメンタルが弱いだけなのかはわかりませんが、トレーニングを重ねることで徐々に限界値を上げることは可能です。
仕事に限らず、人は生きていれば心が折れそうになる経験もあると思います。そんな時に自分の限界値をストレッチさせておけば、ひと踏ん張りも効くだろうし、これ以上やったら折れて怪我をしてしまうというラインを知ることもできます。
とは言え、社員全員がムキムキになりたいわけでもないので、、ダイエットや健康維持など個々人の目的、目標を持ってトレーニングに励んでいますので安心してください。
パフォーマンスの向上
結論は、テストステロン値(男性ホルモン)を高めるため。
※もちろん女性もテストステロンは分泌されています。
テストステロン値が高い人の特徴は
- 目標達成意欲が高い
- 現実主義
- 社会性が高い
- 緻密
※ちなみに、筋トレが好きな人を「脳筋」と揶揄したり、マッチョは粗暴で攻撃性が高いようなイメージがあったようですが、研究結果では真逆であることがわかったそうです。
テストステロンを高める5つの習慣
- 適度な運動
- 適度な睡眠
- 禁煙、適度な飲酒
- 健康的な食事
- 瞑想
セキュリティスタッフを見てみると、、、社内ジム、プロテイン飲み放題、内勤全員禁煙、週一瞑想dayなどなど
テストステロン値が上がる要素しか見当たりません。
コミュニケーションの活性化
これは初めから狙っていた効果ではありませんが、結果的に部署を横断したコミュニケーションの場になっています。
なぜなら、毎週の筋トレ部(ゴリゴリトレーナー付)には、部署や役職関係なく参加するためです。お互いに励ましあいディスりあいながらトレーニングに励むため、同じ筋肉を鍛えた仲間になれます。
筋トレ部には、仕事のヒエラルキーとは違う筋肉ヒエラルキーが存在するため、ベンチプレスやレッグプレスで上長の重量を超えることができれば、立場逆転することができるかもしれません。知らんけど。
社内にガチのジムをつくる社長は脳筋なのか。
語弊があるかもしれませんが、私は体育会系が苦手です。正確に言うと、昭和の体育会系が苦手です。
その頃の部活を経験した人ならわかるかもしれませんが「水を飲むな!うさぎ跳びだ!」の気合と根性の時代です。
もちろん、今も気合と根性は必要だと思いますが、今時の体育会系のアプローチはもっと科学的、論理的になっています。
とは言え、今の考え方が数十年後には根拠のないアプローチだと思われる時代が来るかもしれませんし、何が正しいかはわかりません。
ここまで読んで、やっぱり脳筋だと思う人もいるだろうし、論理的だと思う人もいるかもしれませんが、そもそも脳の60%は脂肪で出来ているそうなので、減量の追い込み時期は脳自体が縮小している可能性は否めません。
元デブだから言えること
当たり前の知識として、運動習慣は健康管理に役立つということは誰でもわかっているはずです。でも、それを実践してなおかつ継続できている人は多くはありません。
食事習慣を改善すればダイエットできる。筋トレすれば理想の身体が手に入る。こんなシンプルで合理的なことを、わかっていてもできないのが人間です。私は最初から自己管理が出来ていたわけではないので、人間の弱さは痛いほどわかります。だからこそ、そんな弱い自分に向き合ってほしいと思います。
こんな話をすると「たった一回の人生なんだから我慢せずに自由に生きたい」と言う人がいますが、それもその通りだと思います。ただ、自由に生きた結果が自由を奪うことになることも覚えておいてほしい。目先の少しの我慢が、あなたの未来の自由をつくっていることがわかれば、大抵のことは乗り越えられると思います。
梅本和希、